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【築年数の重要性】 マンションの耐震基準や地震リスクについて解説
2022.12.21
この記事では、旧耐震基準で建設されたマンションのメリットとデメリットや、活用方法についてご紹介します。
1.耐震基準とは、新旧での変更点もご紹介
1-1.耐震基準とは
建築基準法等の法律によって定められた、建築物が最低限満たすべき地震への耐性基準を指します。1981年に大幅な改正がなされ、1981年の5月31日までに申請が受理された建物は「旧耐震基準」、6月1日以降に申請が受理された建物は「新耐震基準」となります。わずか1日の差で耐震性に大きな差が生まれるため、購入予定の物件がどちらの基準に該当するのかどうか、必ず確認しておきましょう。
1-2.耐震基準の改正内容
耐震基準が大きく見直されるきっかけとなったのが、1978年の宮城県沖地震です。倒壊した建物の被災状況を鑑み、法制度の整備が進められました。なお、新耐震基準に適合する建造物は1995年の阪神淡路大震災で比較的被害が抑えられたというデータが出ています。
ではどのような部分で基準改正がなされたのかを確認しましょう。
■1981年の建築基準法改正
一次設計の「許容応力度計算」と二次設計の「保有水平耐力計算」の概念の導入
許容応力度 :日常的な力による建物構造への影響度、長期間加えられる荷重への耐久力を指す
保有水平耐力:地震や風などの水平方向への力に対して、住宅等の構造材の耐久力を指す
1-3.新旧での耐震基準の違い
新旧の耐震基準では先にご紹介した改正内容に加えて、耐震強度や税金や住宅ローン控除が利用できない等の差が発生します。以下の表で基準ごとの違いを把握しておきましょう。
2.旧耐震基準マンションのメリットとデメリット
旧耐震基準マンションのメリットとデメリットをご紹介します。主な概要は以下の通りです。
それでは、メリットとデメリットを詳しく見ていきます。
2-1.メリット
・物件価格が安く抑えられる
旧耐震基準マンションのメリットとして一番に挙げられるのは価格が安い点です。やはり築年数の浅い新基準のマンションに比べて人気が落ちるため、価格も安くなります。また、現在はマンション価格の高騰が続き、都内の築浅マンションはかなり高額で取引されているケースが散見されますので、旧耐震基準のマンションが狙い目であるとも言えます。
・好立地の物件が多い
好立地物件が多い点も大きなメリットとして挙げられます。近年開発されたエリアを除いて、駅チカなどの好立地物件は旧耐震基準で建てられている場合が多くあります。なお古くから人気のあったエリアでは土地の確保が難しく、新しくマンションを建設し辛い現状があるため、旧耐震基準のマンションであっても人気が高い場合もあります。
・眺望が抜群な物件がある
安全性や街の景観保護の観点から、建造物の高さを制限している地域が数多くあります。しかし、高さ制限の法整備前に建てられた旧耐震基準のマンションも存在しており、地域の眺望を独占できる場合があります。近くに高層マンションが無ければ、とても美しい眺望を有するマンションである可能性が高く、狙い目であると言えます。
2-2.デメリット
・税金控除と住宅ローンの利用に制限が発生する場合がある
前章の1-3でご説明した通り、税金の控除が受けられなかったり住宅ローンの利用に制限が発生する場合があります。しかしながら、旧耐震基準のマンションでも、同等の耐震基準を満たしていれば税金控除や住宅ローン利用に制限が生まれない場合もあります。
・修繕積立金が高い場合がある
修繕積立金は築年数と比例して増額されていくのが一般的です。そのため、旧耐震基準マンションの様に、築年数の経った物件では修繕積立金が割高となる場合があります。しかしながら、これは新旧の耐震基準関係なく、全てのマンションに対して言えることでもあります。
・経年劣化によるコンクリートの劣化が起こりやすい
コンクリートや鉄骨など、あらゆるものは必ず経年劣化が起こります。そのため、築年数の古いマンションでは各部分の劣化に注意が必要です。補修や改修工事が行われていれば問題はありませんが、マンションにもよるため必ず補修歴を確認するようにしましょう。
3.旧耐震基準のマンションを購入する際のポイント
旧耐震基準のマンションには価格が安い掘り出し物件が数多く存在しています。そんな掘り出し物件のマンションを知識を持って選べば、耐震性の不安を持たずに購入することが出来ます。浮いたお金でリノベーションをするのも良し、家具にこだわってみるのも良し、購入後の暮らし方の幅が広がるはずです。以下に旧耐震基準のマンションを購入する際のポイントを紹介しています。
3-1.なるべく地盤の強いエリアを選ぼう
地盤の強いエリアであれば同じ震度であっても、揺れ自体が減る傾向にあります。デメリットである耐震性をカバーできますので、地盤の強い場所での物件探しを行いましょう。地盤の強さは各都道府県が発表するハザードマップやポータルサイトから知ることが出来ます。
3-2.耐震診断を受けているマンションを選ぼう
旧耐震基準であっても、補強や修理を行って耐震診断を受けているマンションがあります。新基準並みの耐震性を有すると認められれば、税金や住宅ローンの控除を受けられる場合もあります。
3-3.地震に強い形状のマンションを選ぼう
マンションの形状も地震に対する耐久力に差が生まれます。以下に地震への強弱に対するマンションの形状をまとめています。
■地震に強い形状
・平面・立面が揃っている正方形の低層マンション
■地震に弱い形状
・デザイン性等の観点から、平面・立面が揃っていないマンション
・一階の開口部が広くテナントや駐車場になっているマンション
3-4.壁式構造を選ぼう
マンションの構造も耐震性に大きな影響を及ぼします。マンションは基本的に「ラーメン構造」「ブレース構造」「壁式構造」の3つに分類されます。一般的に耐震性が高いのは「壁式構造」です。購入予定のマンションがどちらの構造であるかチェックしておきましょう。しかしながら、構造に関しては外観からは判断がし辛い部分もありますので不動産会社へ相談すると安心です。以下に各構造の特徴をまとめています。
■ラーメン構造
垂直方向の「柱」と、水平方向で柱をつなぐ「梁」によって建物を支えています。窓や扉を自由に配置できたり、広い空間を生める等のメリットがあります。
■ブレース構造
ラーメン構造と同様の「柱」と「梁」に加え、対角線上に支えを設けることで、耐震性を高めています。自由な扉や窓の配置、広い空間に対してはやや制限が生まれます。
■壁式構造
面で揺れを受け止め建物を支える構造で強固な造りが特徴です。耐震性に優れ、防音・防熱等の効果が見込めます。ただし、壁自体が耐震性を発揮するため、大規模なリノベーション等は行いにくい場合があります。
4.旧耐震基準マンションの活用方法
では、旧耐震基準マンションで上手く暮らすためにはどのようにすれば良いのでしょうか。この章では旧耐震基準マンションの可能性を紹介します。
4-1.リノベーションを施し、憧れの空間を作ろう
先程ご説明した通り、旧耐震基準で建てられたマンションには好立地で眺望が良く、価格の抑えられた物件が多く存在しています。そんな好条件の物件を自分好みにリノベーションすることで、豊かな暮らしへと繋がります。また、物件自体の価格が抑えられていることで、リノベーションへ回す余剰資金が確保できるため、予算次第では新築マンションよりも満足度の高い暮らしが叶えられます。
4-2.好立地・好条件であれば投資にも
一般的に旧耐震基準のマンションはその耐震性から敬遠される傾向があります。しかしながら、マンションによっては補修や改修工事によって耐震基準をクリアしている物件も数多く存在するため、投資用としても十分な可能性を秘めています。また、リノベーションを施すことで、新築と同等の内観を実現できます。投資用としてのマンションをお探しの方もぜひ検討されてみてはいかがでしょうか。
5.まとめ
いかがでしたでしょうか、今回は旧耐震基準マンションのメリットやデメリット、選び方から可能性までをご紹介してきました。選び方次第では、相場よりも低い価格で理想の暮らしが手に入ります。では今回ご紹介したポイントをおさらいしておきます。
■耐震基準の概要
・1981年に建築基準法の大幅な改正がなされ、新基準と旧耐震基準で分けられた
・新基準では「許容応力度計算」と「保有水平耐力計算」の概念が導入された
■旧耐震基準マンションのメリット、デメリット
・メリット
→物件価格が安く抑えられる
→好立地の物件が多い
→眺望が抜群な物件がある
・デメリット
→税金控除や住宅ローンの利用に制限が発生する可能性がある
→修繕積立金が高い場合がある
→経年劣化によるコンクリートの劣化が起こりやすい
■旧耐震基準マンションの選び方
・なるべく地盤の強いエリアを選ぼう
・耐震診断を受けているマンションを選ぼう
・地震に強い形状のマンションを選ぼう
・壁式構造を選ぼう
■旧耐震基準マンションの活用方法
・リノベーションを施し、憧れの空間を作ろう
・好立地・好条件であれば投資にも
やはり、特筆すべきは旧耐震基準のマンションでも多くのメリットがある点です。暮らし方や状況次第ではベストな選択肢になり得ます。耐震性という問題だけで選択肢から除外してしまうことは避けることをお勧めします。弊社は、様々な物件のお取引を行ってきたノウハウと豊富な知識を活かし、お客様の新しい暮らしにベストなご提案をさせて頂きます。新築の綺麗なお住まいはもちろんのこと、築年数の古いながらも、その他の点でお勧めできる掘り出し物件のご提案も可能です。掘り出し物件の見極めには技術と経験が必要ですので、弊社にしかできないオンリーワンのご提案をご提供いたします。ぜひご相談ください。
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