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【空き家問題】活用方法と再生可能性について解説

近年よく耳にする空き家問題。この記事ではその実態を解説するとともに、空き家の活用方法や再生の可能性まで詳しくご紹介します。空き家問題は誰もが身近に起こりうる問題ですので、しっかりと内容を把握しておきましょう。

1.空き家について解説

1-1.空き家とは

空き家問題とよく耳にするものの「空き家」とはどのようなものを指すのでしょうか?国土交通省によると1年以上使われていない状態、または1年以上誰も住んでいない状態の住宅が空き家と定義されています。また、その他の判断基準は以下の通りです。

・人の出入りの有無
・建物の登記や所有者の住民票の有無
・電気、ガス、水道の使用状況または使用の可不可
・物件の管理状態

1-2.空き家の種類

空き家は管理の行き届いていない家と一括りにされやすいですが、以下の4種類に分類する事が可能です。

■賃貸用住宅
賃貸を用途としており、入居者が居ない一戸建てやアパートに加え、マンション等の住宅を指します。また新築・中古のどちらも対象となります。 総務省の「平成30年住宅・土地統計調査特別集計」の調査結果によると、賃貸用の住宅は空き家全体の51.0%を占めています。

■売却用住宅
売却を用途とした空き家を指し、売却中の空き家等も含まれます。また賃貸用住宅と同様に新築・中古のどちらも対象になります。 同調査によると売却用の住宅は空き家全体の3.5%を占めています。

■二次的住宅
別荘やリゾートマンション等の普段は人が住んでいない住宅を指します。 同調査によると二次的住宅は空き家全体の4.5%を占めています。

■その他の住宅
上記の賃貸用住宅・売却用住宅・二次的住宅のいずれにも該当せず、人が住んでいない住宅を指します。 例えば、転勤や長期入院等の何らかの理由によって住人が長期間不在になっている住宅を指します。加えて空き家かどうかの判断が困難な状態の住宅も含まれます。 同調査によると売却用の住宅は空き家全体の41.1%を占めており、近年で最も増加割合が多い傾向にあります。


参考:国土交通省 空き家等の現状について

空き家の種類別円グラフ

1-3.空き家が増える要因

続いて空き家が増えてしまう要因を詳しく解説していきます。

■高齢化と核家族化
空き家問題が発生する一番の要因は高齢化と核家族化です。家主が高齢になり老人ホームに入居する場合や、配偶者と死別して子供の住む地域に転居する場合が代表的な空き家発生のケースです。加えて核家族化の進行により、家主が亡くなった場合に本来は相続されるはずの住宅が空き家の状態で放置されてしまうというケースも多く発生しています。

■節税対策
不動産の所有には固定資産税が課せられますが、土地に住宅等の建物が建っている場合は住宅用地とみなされ、固定資産税の軽減措置が適用されます。軽減措置の適用で、固定資産税が3分の1または6分の1に減額され、土地のみで所有した際と比較して節税を行えます。このため空き家が取り壊さずに放置されているケースが多く、空き家増加の大きな要因になっています。

■相続問題
上記でも少し触れましたが、空き家が増える理由の一つに相続問題があります。遠方に居住している等の理由で管理が難しく、いつしか空き家になってしまうケースです。また一定数存在するのが、生まれ育った住まいへの心残りから解体や売却に踏み切れないケースです。注意したいのが余りに管理がされていない場合、自治体から修繕等の勧告を受ける場合がある事です。勧告を受けると固定資産税の軽減措置が適用外となる恐れもあります。空き家として相続をした場合でも、相続人は管理や対策を必ず行いましょう。

2.空き家問題について解説

2-1.空き家問題の現状

総務省統計局により発表された「平成30年住宅・土地統計調査」を基に空き家問題の現状を確認してみましょう。

空き家数及び空き家率の推移

上記のグラフから分かる通り空き家数と空き家率は1958年以降、右肩上がりに増えています。2018年の調査時点で国内の空き家率は過去最高の13.6%と10軒に1軒以上が空き家であると結果が出ています。また空き家の総数は848万9千戸に上り、データから見ても空き家問題は国内で深刻化している事は明白です。

出典:総務省 平成30年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計より作成

2-2.空き問題が引き起こすリスク

空き家問題が引き起こすリスクは以下の通りです。

空き家問題が引き起こすリスク

■周辺地域の景観悪化
管理されていない空き家には雑草が生い茂り、建物の老朽化が進んでいる住宅もあります。そのような住宅は周辺地域の景観までも損なう可能性があります。またゴミの不法投棄が行われやすくなり、周辺のへの悪臭や有害物質の発生も懸念されます。

■犯罪の温床となる
空き家は人が出入りしない事から、犯罪に使用されるリスクがあります。犯罪の拠点 として使われてしまうケース、またゴミの不法投棄、放火、不法侵入などの様々な犯罪の温床となる危険性があります。

■建物の老朽化による災害時の倒壊
家主がおらず使用されていない家やメンテナンスがされていない建物は、人の出入りが無く空気の循環が悪くなります。そのためカビや湿気等が発生しやすく、住宅の老朽化を早めます。住宅の老朽化は様々な問題を引き起こす可能性があり、自然災害時の倒壊による近隣住民への二次災害等の危険性があります。

3.空き家の再生に関する可能性

一見問題ばかりに見えてしまう空き家ですが近年では活用方法が多様化しており、再生の可能性に期待が高まっています。空き家の活用方法は以下の通りです。

空き家再生の可能性

3-1.リノベーションを施し活用をする

築年数が経過した物件でもリノベーションして活用する事で再生が可能になり、運用方法によっては収益源へと変貌します。また、近年では空き家再生を推進する動きもあり、自治体によっては改修や解体への補助金制度が設けられています。リノベーション後の活用例は以下の通りです。

■賃貸物件や貸店舗にする
家賃収入を維持管理費に充てる事で空き家として所有するよりも経済的な負担を軽減できます。また入居者が確保できれば安定的に収益を得られますが、立地や間取りによっては借り手を見つける事が難しいケースもあるため、注意が必要です。

■民泊として活用する
住宅宿泊事業法が2018年に施行された事で個人で民泊を経営するハードルが下がり、比較的簡単にできるようになりました。しかし、同法律では年間の営業日数が180日までに制限されており、年間を通じての運用はできません。

3-2.売却をする

空き家の活用方法で最終的に一番多いと言われているのが売却です。空き家として管理するか、売却して現金化するか双方のメリットやデメリットを考慮した上で、売却という選択をするのも空き家問題を阻止する一手かもしれません。売却には以下の方法があります。

■不動産会社へ売却を委託する
契約等の手続きや買い主とのやり取りを代行してくれるため、売却に対してのハードルが低い上にトラブルを未然に防ぐ事ができます。また不動産屋に委託した場合、不動産売却に関する豊富な知識を持つプロならではの売却活動を行う事が可能です。そのため、居住地と所持している空き家が離れている場合や、その地域に馴染みが無い場合でも安心して売却活動を行う事ができます。

■空き家バンクの活用
空き家バンクは自治体が運営している空き家を売却するためのサービスです。空き家の持ち主が売却をしたい空き家を登録し、登録された情報を基に買い主を見つける事ができるサービスです。空き家バンクは営利目的で運用していないため、自治体は契約等の手続きに関与しません。そのため契約書の作成等の手続きを自分自身で行うか、委託する必要がある事を留意しておきましょう。

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まとめ

いかがでしたでしょうか、今回は空き家問題についての、実態や活用方法に加えて再生の可能性までをご紹介してきました。先述したように空き家問題は日本の社会問題になっているだけではなく、誰もが身近に起こりうる問題です。問題が拡大する一方で、活用方法も日々多様化しています。空き家問題を他人事と捉えずに、アンテナを張り情報収集を行う事が空き家問題を是正する一つの兆しになるのかもしれません。では今回ご紹介したポイントをおさらいしておきます。

■「空き家」とは
・1年以上使われていない状態、又は1年以上誰も住んでいない状態の住宅

■空き家の種類
・「賃貸用住宅」「売却用住宅」「二次的住宅」「その他の住宅」の4つの種類がある

■空き家が増える要因
・高齢化と核家族化
・節税対策
・相続問題

■空き家問題の現状
・2018年の調査時点で国内の空き家率は過去最高の13.6%と10軒に1軒以上が空き家
・空き家の総数は848万9千戸に上っている

■空き問題が引き起こすリスク
・周辺地域の景観悪化
・犯罪の温床となる
・建物の老朽化による災害時の倒壊

■空き家の再生に関する可能性
・リノベーションを施し、賃貸する
・空き家バンクの活用
・空き家になる前に売却をする



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